1253.【小説】或除者の独白 幼少期編 第4話
2025/03/04
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或除者の独白
幼少期編
第4話
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私は、周りがすんなりとできることがうまくできないことがあります。
例えば、私はほとんどの人が折り鶴を折ることができることが信じられません。どうしても折れない私のような人は少数派らしいのです。
子どもの頃、幾度か幼稚園や学校で折り紙を折る機会がありました。
その中で、クラスで千羽鶴を折ることになったことがあります。
周りの子どもたちはさっさと何羽も折っていく中、私は一羽たりとも折ることができず机の上で悪戦苦闘しておりました。
私は手先が極端に不器用で、折り紙を折ろうとしても紙が不格好になってしまって良い形にならないのです。
私にとってあれほど複雑に思える折り鶴を、周りの子どもたちは難なく折っている・・・。不思議で不思議でたまりませんでした。
「おい真田、まだ折れないのか?」
やんちゃ坊主の寺石くんが私をからかってきました。屈辱的でしたら、当時の私は著しく無口でしたので何も言い返しませんでした。
寺石くんは器用で、50羽以上を一人で折っていました。
・・・、もちろん私のように折り鶴をうまく折れない人は他にもいると思います。ただ折り方を教わってもお手本通りのうまい形にならないのは残念でした。
そんな私でも折ることができたのは、例えば半分に折って三角を作って2つの門を折って作るチューリップや、パクパクさせて遊ぶパックンチョくらいです。とはいえどちらも不格好で、パックンチョのパクパク具合がぎこちなかったことを今でも思い出します。
紙飛行機なんて以ての外です。私がなんとか折ったものはとても飛行機とは呼べないもので、見た目からして全く飛ばないことが明瞭なものでした。・・・、今となっては笑い話ですから笑いたい方は笑ってください。
大人になった今は折り紙に触れる経験はあまりないので折り鶴を折ろうとしたことはないのですが・・・、おそらくなんとか折れたとしてもかなり不格好なものとなってしまうことでしょう。
こんな感じで、私の不器用さが表れているエピソードもこれから少しずつお話ししていければと思います。
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つづく
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