1246.【小説】或除者の独白 幼少期編 第1話
2025/03/01
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或除者の独白
幼少期編
第1話
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とある男が、演壇にあがって自身の幼少期のことを淡々と語りだす。
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私は幼い頃から、協調性のない子どもだと言われたそうです。とはいえ、当時は子どもでしたからそのことをよくわかっていませんでした。
とはいえ、幼稚園でも、小学校でも、一人でいる時間が長かったことを覚えています。周りのみんなはそれぞれ仲良く話をしていますが、その中にうまく入っていくことができなかったのです。
私には未だによくわかりません。人々が自然に仲良くなり、その仲が深まっていく様子が。私がある人と知り合い、その人が私より後に知り合った人とのほうがどんどん仲良くなっていく様子に強い違和感を覚えざるを得ませんでした。
ただこれだけは言えるのでしょう。私には「人と仲良くなる能力」が平均より著しく少ないのだと言うことを。大人になった現在は幼少期よりは改善したのかもしれませんが、幼少期は特に、人と仲良くなる方法がわかりませんでした。
今の私は人の名前を呼ぶことができます。しかし、幼少期の私はそれすらできなかったのです。
一般的に、名前を呼ばれるとその名前を呼んでくれた人に親しみを持つ傾向にあります。このことを誰にも習わずとも自然にわかり、積極的に名前を呼ぶ人がいる中、私は「得体の知れない恥ずかしさ」により名前を呼ぶことができませんでした。
その恥ずかしさの原因は謎であり、大人になった現在でもなぜ当時は名前を呼ぶことができなかったのかがわかりません。
この名前の例は一例であり、他にもほとんどの人々が習わずとも自然にわかるようになる「人と仲良くなっていく方法」が特に幼少期の私にはわからなかったのです。国語や算数も大事ですが、このことをもっと教えてほしいと思ったものです。ただ、一般的には「教えるまでもないこと」なのでしょう。
当時の私はうまく人と話せず、他の子どもたちや先生方は「人を避けている」と思ったかもしれません。しかし、当時の私ですら「人と仲良くしたい」という気持ちはあったのです。それでも、どうすれば良いかがわからなかったのです。
今回は、こんな「人と仲良くしたいけど、その方法がわからなかった」私の幼少期のことについて語っていきます。よろしければお付き合いください。
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つづく
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