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1212.【小説】魔法のスプリッツ 第13話

2025/02/13

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魔法のスプリッツ

第13話

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マリオは、食材の買い出しに出かけている。この日はマリオが買い出し担当で、ルイージは店の中で仕込みをしている。

「ここはいつ来ても鳥肌が立つなぁ。」

マリオは、サン・マルコ広場の中で立ち止まって、深呼吸をした。

鳩たちがマリオの近くに集まってきた。

「鳩たちも、この美しい広場にうっとりしてるのかなぁ。」

マリオはそんなことを考えながら、広場を訪れる観光客たちを観察している。

マンマお母さん!お腹空いてきたよ〜!」

「ようしジュリオ、今日はジュリオが好きなボロネーゼを作ってあげますよ。」

「わ〜い!」

地元の親子だろうか。微笑ましい会話を繰り広げている。「マンマ」と聞くと日本語では「ご飯」を思い浮かべてしまうが、イタリア語では「お母さん」という意味である。

日伊の意味を組み合わせると「マンマ(お母さん)のマンマ(ご飯)」・・・、興味深い。某テレビ番組のタイトルのような語呂の響きも良い。

マリオは、鐘楼のてっぺんにちょうど太陽が重なっていることに感銘を受け、写真を撮った。

「ボクも観光客みたいだなぁ!ずっと住んでても、何度訪れてもここは感動しちゃう。」

広場にある飲食店にも人はいっぱいだ。やはり、スプリッツを飲んでいる人々もちらほらいる。

「ボクたちも、このサン・マルコ広場のように美しいスプリッツを作ってみたいなぁ。よし、買い出しに向かおう。」

マリオは、広場の近くにある店でいろいろと食材を買い求めるのであった。

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つづく

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