875.【令和6年大相撲7月場所13日目感想】横綱・照ノ富士関がカド番の大関・貴景勝関を破って優勝に王手!貴景勝関は残念ながら大関から陥落が決まりましたね・・・。霧島関も隆の勝関に敗れて、大関特例復帰ができなくなりました。
2024/07/26
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大相撲名古屋場所13日目です。本日は「大関」という番付を維持する大変さを目の当たりにすることとなりました。
それでは、本日も個人的に印象に残った一番をそれぞれ述べていきます。
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◯大青山‐黒姫山●
幕下でここまで6勝0敗だった2人の力士による一番。勝ったほうが幕下優勝の、事実上の幕下優勝決定戦です。
大青山の両手による喉輪が強烈ですね。これに耐えていった黒姫山が、中に入って押していきました。
土俵際に追い込まれた大青山が上手投げを繰り出しましたが、これにも黒姫山は耐えた!粘りを見せる黒姫山。
次は右四つとなった両者。そして大青山が体を入れ替えての寄り切りを決めましたね!その後、両者は疲れ果てて倒れ込みました。熱戦具合が伝わってきました。
今場所の幕下における成績上位の両者らしい熱戦を制した大青山が幕下優勝となりました。おめでとうございます!
一方、敗れてしまった黒姫山は、昭和世代の皆さまにとっては懐かしい四股名だと思う方もいることでしょう。「デゴイチ」の愛称で親しまれた元関脇・黒姫山関の実の孫が、同じ四股名で現在相撲をとっております。
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◯嘉陽関‐島津海関●
こちらの十両での一番では、新十両の嘉陽関が一気に前に出て島津海関を押し出しましたね!これで嘉陽関は6勝7敗で踏みとどまりました!
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●玉正鳳関‐阿武剋関◯
玉正鳳関が突いていき阿武剋関を追い詰めますが、それにあてがう阿武剋関は粘りを見せました。
そして阿武剋関が左上手をとった!そしてガッチリと右四つで組んだ阿武剋関が、どっしりと玉正鳳関を寄り切りました。
これで阿武剋関は勝ち越しです!現在は西十両筆頭の阿武剋関。他の力士との兼ね合いや今後の勝敗次第ですが、新入幕の可能性が出てきましたね。
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◯千代翔馬関‐大奄美関●
幕内の千代翔馬関に、十両の大奄美関が挑みました。
千代翔馬関がよく動いておりましたね。体を入れ替え、引いて徳俵を利用して、最終的には両前まわしをとった千代翔馬関が大奄美関を寄り切りました!
この一番で、千代翔馬関の技術を見ることができました。
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●欧勝馬関‐北勝富士関◯
立ち合いでぶつかってからの、欧勝馬関が左にいなした!勢いよく前に出てしまった北勝富士関ですが、それを送り出そうと向かってきた欧勝馬関を今度は逆にいなした!これで欧勝馬関は土俵外に!
相手に背を向けても焦らず、逆にいなすことができた北勝富士関の対応力を見ることができた一番です。
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●翠富士関‐佐田の海関◯
これはまた熱戦になりましたね!
立ち合いで左に変化した翠富士関。これに対応した佐田の海関。そして中に入ろうとする翠富士関でしたが、佐田の海関はなかなか入らせません。
そして右四つとなった両者。この後どうなるか見守っていると、投げの打ち合いとなりました!翠富士関の体が先に落ちました。行司・木村元基がよく見ており、軍配を佐田の海関にあげましたね。
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●明生関‐熱海富士関◯
一時期は土俵際に追い込まれてしまった熱海富士関でしたが、力いっぱい耐えておりましたね。
やがて体を入れ替えた熱海富士関が、明生関を寄り切りました!
今場所も負け越してしまい、新三役になることはできない熱海富士関ですが、この調子でいつか新三役になれる、そう思える成長を感じる一番でした。
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◯若隆景関‐平戸海関●
新三役で既に勝ち越しを決めている平戸海関が、幕内最高優勝経験者かつ関脇経験者の実力者・若隆景関と対戦しました。
今回は、若隆景関があっという間に平戸海関を押し出してしまいましたね!久しぶりに幕内に帰ってきた若隆景関が、確かな実力を披露していることを拝見できた一番です。
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●大栄翔関‐美ノ海関◯
優勝争いトップの1敗の横綱を3敗で追う美ノ海関が、大栄翔関と対戦しました。
突き合う両者が印象的だったこちらの一番では、うまく大栄翔関の背中に回り込んだ美ノ海関が大栄翔関を押し出しました!
上手さが光った美ノ海関はこれで10勝目です!幕内での初めての二桁勝利おめでとうございます!
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●霧島関‐隆の勝関◯
前に出ていった霧島関を隆の勝関がはたきましたが、霧島関はのこりました!
しかし、立て直そうとした霧島関を容赦なく隆の勝関が押し出しました。
これで霧島関は10勝することが不可能となり、大関特例復帰ができなくなりましたね・・・。大関昇進時には将来的な横綱昇進も期待された霧島関でしたが、今年に入ってからは思うような調子が出せずに、ついに大関に戻ることができませんでした。
残念ですが、結果がすべての世界ですからね・・・。これで7勝6敗です。残り2番で勝ち越せるよう霧島関を引き続き応援いたします!
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□大の里関‐豊昇龍関■
優勝争いにも絡んでいた大関・豊昇龍関が休場してしまいましたね・・・。
昨日の相撲で怪我をしてしまったそうで、大関は無念の休場となりました。
これで新関脇の大の里関は、不戦勝により勝ち越しとなりました。これは複雑な気持ちになりますね。
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●琴櫻関‐阿炎関◯
大関・琴櫻関が前に攻めるも、阿炎関が左にいなして、思いっきり前に出ていって寄り切りましたね!
これで阿炎関は勝ち越し王手の7勝目ですね。
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◯照ノ富士関‐貴景勝関●
負ければ関脇へ転落が確実となる今場所カド番で7敗目の大関・貴景勝関の本日の相手は、優勝争いトップの横綱・照ノ富士関という大変厳しい戦いでした。
横綱に食らいついて、押して行く大関。大関が左にいなして横綱をよろめかせる場面もありましたが、横綱が大関をはたき込みました!
これで貴景勝関は無念の負け越し・・・。カド番ですから、番付が関脇に落ちてしまうことが確定してしまいました・・・。来場所は10勝できれば大関特例復帰で大関に戻れますが・・・、大変厳しい戦いとなることでしょう。
本日は横綱相手に善戦していた貴景勝関。突き押しに特化した人間味のある相撲が好きです。今後どのような選択をするかは貴景勝関ですから、ご本人が選ぶ道を尊重いたします。
一方、横綱はこれで12勝1敗となり引き続き優勝争いを独走しておりますね。
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霧島関の大関特例復帰失敗と貴景勝関の大関からの陥落が同じ日に決まってしまいましたね・・・。
改めて、「大関」という番付を維持することの大変さを考える一日となりました。
1敗の横綱・照ノ富士関を追う3敗の平幕・隆の勝関と美ノ海関という構図。
特に隆の勝関は明日、横綱との直接対決が組まれました。横綱を引きずり下ろせるか、注目です!
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お読みいただき、ありがとうございました。