791.【エッセイ】これからよろしく、ミニトマト。
2024/05/24
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僕はほとんどの食べ物を好き嫌いなく食べることができるのだが、そんな僕にとっての天敵といえる食べ物がかつてあった。
ミ ニ ト マ ト
僕は子どもの頃から、トマトが好きではなかった。特にミニトマトとなると、あのトマトの味が凝縮されておりうまく食べることができなかった。ちなみにミートソースなど、火を通したトマトはずっと好きだ。
小学生の頃、給食でミニトマトが出る日は大変だった。しかし好き嫌いで給食を食べないわけにはいかなかった。
牛乳で流し込むことなどの裏技を知らずに正攻法でミニトマトを食べようとした。一気には食べられないので少しずつちょびちょびと食べていった。
給食の時間が終わって昼休みに居残りでミニトマトを少しずつ食べ続けた。昼休みが終わろうとした時にやっと食べ終わったことがあることを覚えている。
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年月が経ち大人になり、大きなトマトであればなんとかそれなりに食べることができるようになった。
しかし、ミニトマトはやはり苦手だった。このままミニトマトは苦手なままなのだろう、そう思っていた。
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先日、ふとミニトマトを口に入れてみた。
うまい・・・!
おいしいではないか。子どもの頃から苦手だったあの味なのだが、なぜかその味を不快には思わず、旨味があっておいしい、と思えるようになったのだ。
1個だけ試しに食べようと思っていたのだが、何個もバクバクと食べてしまった。すっかりミニトマトが好きになってしまった。これはここ最近で一番驚いたことである。
何がきっかけでミニトマトを好きになることができたのかは、僕にはわからない。
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この「嫌いな食べ物が好きになる」現象について調べてみたが、そのメカニズムは不明な点も多いようだ。
まぁ理屈は置いておいて、ミニトマトをおいしく食べられるようになったのは確かだ。
これからはミニトマトを、これまで食べなかった分いっぱい食べることだろう。食べすぎて飽きて元通りにならない程度に楽しもう。
これからよろしく、ミニトマト。
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お読みいただき、ありがとうございました。