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239.【令和5年大相撲7月場所千秋楽】初優勝・豊昇龍関の涙に、もらい泣き。

2023/07/23

※私は相撲に本格的な興味を持ったばかりのため、表記などに誤りがある可能性がございます。温かい目で見守っていただけると幸いです。相撲初心者ならではの視点をお楽しみください。

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名古屋場所は千秋楽となりました。

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豊昇龍関、初優勝そして大関昇進確実おめでとうございます!

大関昇進の可能性があった3人の関脇のうちで、豊昇龍関が初の幕内最高優勝を成し遂げ、大関昇進を確実といたしました。残り2人の関脇である大栄翔関・若元春関もお疲れ様でした。

さて、本日特に注目した取組を振り返っていきます。

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まずは幕下の高橋と、十両の英乃海関による一番です。高橋は前回も十両の對馬洋関相手の取組でしたので、幕下ながら2連続で十両相手の一番に臨むこととなりました。両者がしばらく組み合って、すぐには決まらない勝負に会場も沸いておりました。結果は高橋が寄り切って白星となりました。これで高橋、幕下4枚目の位置で5勝2敗で今場所を終えることとなりました。他の力士との兼ね合いもありますが、新十両濃厚という話も出てきております。今場所注目していた力士ですので、来場所は十両の位置で高橋関、もしくは新たな四股名がつくのであればその四股名に関をつけてお呼びできると嬉しいものです。

大奄美関は新入幕の獅司関を寄り切って11勝4敗とし、この時点で勝ち星先頭となりました。獅司関、新十両にして9勝6敗と勝ち越しました。おめでとうございます。次場所でも応援しております。

返り十両ながら十両で相撲を取ることは実質初めてとなった今場所の紫雷関は、東龍関を吊り出して白星を獲得して、これで十両で初の勝ち越しとなりました。現在31歳で今年32歳の紫雷関がこの年齢にして更に番付の最高位を更新することになる可能性がありますが、今年30歳になる私にとって、年上の方々がこうやって頑張っていることは良い刺激になります。

欧勝馬関と長崎県出身の對馬洋関の一番では、欧勝馬関のはたき込みが決まり、勝負がつきました。對馬洋関はこれで3勝12敗で今場所を終えることになり、西十両11枚目の位置で十両に残留することが大変厳しい成績となりました。次回の番付がどこになっても、長崎県民の私は引き続き応援いたします。對馬洋関、今場所もお疲れ様でした!

天空海関と熱海富士関の一番では、両者がしばらく組み合った後に、熱海富士関の上手投げが決まりました。これで熱海富士関は、同じく11勝4敗の大奄美関との優勝決定戦に進出いたします。

そして、その熱海富士関と大奄美関による十両優勝決定戦が実施されましたが、最初は右四つで組み合って互いに相手の動向をうかがう流れとなりました。しばらくすると熱海富士関が勝負に出て、大奄美関を押し倒す形として十両優勝を決めました。熱海富士関、初めての十両優勝おめでとうございます。昨年秋場所にて8勝7敗の成績で幕内に昇格した翌場所の昨年九州場所では4勝11敗で負け越してすぐに十両に逆戻りしてしまいましたが、再び十両で確実に力をつけた上での11勝4敗の今回の優勝です。十両筆頭での優勝で、もちろん次場所は幕内復帰確実だと思われますが、次場所でも勝ち越せるよう、応援いたします。

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幕内では、まずは湘南乃海関と妙義龍関の一番を取り上げます。妙義龍を豪快にはたき込んで、湘南乃海関の勝ちとなりこれで10勝5敗となり新入幕にして二桁勝利です。さらに新入幕にして敢闘賞を受賞することになりました。おめでとうございます。長年幕下で苦労をした経験がある湘南乃海関ですが、今年初場所での十両昇進後は勢いのある相撲で番付を駆け上がっております。来場所の湘南乃海関にも、期待いたします。

遠藤関は錦富士関を相手にいたしましたが、頭四つの姿勢でお互いの状況をうかがう形となった後に相手の右の前まわしを掴んだ遠藤関が勝負をしかけ、錦富士関を寄り切って勝利し、二桁勝利となりました。遠藤関、今場所は良い相撲を見せてくださいました。来場所も応援いたします。

そして新入幕の豪ノ山関はベテラン・玉鷲関と対戦し、一進一退の攻防が続いた末に、玉鷲関を押し出して勝利し、2桁勝利を達成することができ、湘南乃海関と同じく新入幕にして敢闘賞を受賞いたしました。豪ノ山関、おめでとうございます。序盤に5連勝するも、中盤に4連敗し山あり谷ありの場所でしたが、終盤は4連勝で締めくくりました。次場所も魅力的な相撲を見せてくださるよう、応援いたします。

長崎県出身の平戸海関は、左の太ももが昨日の相撲で肉離れとなってしまった影響で千秋楽は休場となりました。平戸海関、14日目までお疲れ様でした。自身最高位の中頑張って相撲を取り続けました。今場所は負け越しとなりましたが、10日目の大栄翔関相手の一番など、負けはしたものの健闘している一番が見られましたので、今後の成長に大きく期待できると思えた名古屋場所でした。

幕内で最も身長が低い171cmの翠富士関と、幕内で最も身長が高い204cmの北青鵬関による、実に身長差33cmの一番は本当に見ごたえのあるものでした。小さな翠富士関が、大きな北青鵬関を思いっきり下手投げして、翠富士関の勝ちになりました。やはり小兵力士が巨体力士をテクニックをうまく活用してぶん投げる様子は、本当に興味深いものがあります。これほどの身長差があるのに、見事な相撲が成立することを目の当たりにすると、ここにも相撲の面白さを見つけることができます。

そして今場所、前半に素晴らしいご活躍を見せてくれた錦木関と、優勝争いの先頭にいる北勝富士関の一番では、錦木関が引き落とされ両手をついて、北勝富士関の白星となりました。錦木関、12日目以降は思うような結果ではありませんでしたが、初日は不戦勝とはいえ前半の横綱からの金星を含む琴ノ若関以外の三役以上を圧倒した様子は私の目に焼き付きました。これで10勝5敗の成績となり、自身初の三賞である殊勲賞を受賞いたしました。32歳にして自身初の三賞、本当におめでとうございます。また、次場所の三役昇進が濃厚となっております。こちらもまだ早いですが、おめでとうございます。上記の紫雷関のように、30歳を過ぎてなお自身の最高位を更新し続ける方々には本当に刺激を受けます。私も30代に頑張ろうと思わせられます。錦木関、今場所はお疲れ様でした。北勝富士関は、優勝決定戦に進出決定です。

小結・琴ノ若関は、4連敗のあと10連勝という好調を見せている竜電関との一番に臨みました。しかし今場所初対戦の三役は強かった。琴ノ若関の寄り切りにより決着がつきました。これで琴ノ若関は11勝4敗となり、次場所には関脇の位置にいる可能性が高くなりました。来場所もこのような好成績なら、大関昇進の可能性もでてきますが、そこまで今の時点で考えるのは気が早いですね。まずは来場所も応援いたします。

途中休場があった朝乃山関は、関脇・若元春関を寄り切って白星となり、これで千秋楽にして勝ち越しが決まりました。大関から三段目まで番付が落ちた昨年の名古屋場所からずっと勝ち越しを続けており、これで7場所連続勝ち越しとなりました。このまま勝ち越しを続けて再び三役、そして大関と番付を上げていけるよう、来場所も応援いたします。

優勝争いそして大関昇進を目指す関脇・豊昇龍関は、同じく優勝争いをしている今年大相撲デビュー・新入幕・19歳にして「これより三役」を務めるというスピード出世を果たした伯桜鵬関との一番に臨みました。勝ったほうが北勝富士関との優勝決定戦に臨むことになる大事な一番でしたが、豊昇龍関の関脇の意地を見せる上手投げにより、豊昇龍関が優勝決定戦に進むことが決まりました。伯桜鵬関はこれで優勝することができなくなりましたが、11勝4敗の好成績となり新入幕にして敢闘賞・技能職という三賞のうち2つをダブル受賞する快挙を成し遂げました。おめでとうございます。第68代横綱・朝青龍関の甥である豊昇龍関と、第69代横綱・白鵬関が宮城野親方として師匠を務める宮城野部屋所属の伯桜鵬関の対決は、本当に感慨深いものがありますね。このお二方は、今後も様々な対決を繰り広げることでしょう。今後も応援したいお二方です。

小結・阿炎関と新大関・霧島関との一番は、寄り切って阿炎関に軍配があがりました。阿炎関、これで6勝9敗となり来場所は平幕になることが濃厚ですが、千秋楽に大関を破る有終の美を飾ることができました。霧島関も6勝7敗2休となり勝ち越しができず来場所はカド番で臨むことになりますが、途中から横綱が不在となった今場所での番付最高位としての立場を果たしプレッシャーもあったことでしょう。お疲れ様でした。

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そして、優勝決定戦は12勝3敗で並んだ豊昇龍関と北勝富士関による一番です。どちらが勝利しても初優勝となる一番は、両者必死に食らいつき、優勝へ向けての気迫が伝わりました。最終的に豊昇龍関が北勝富士を押し出す形で決着がつき、豊昇龍関が初の幕内最高優勝を飾ることとなりました。さらに敢闘賞も受賞し、来場所での大関昇進を確実としました。記事の冒頭にも述べましたが、改めまして豊昇龍関、おめでとうございます。優勝が決まった瞬間、豊昇龍関の目に光るものが見えました。普段は険しい表情をしがちの豊昇龍関ですが、今回の優勝での達成感に感極まったことが画面越しからも伝わってきて、私もついもらい泣きをしてしまいました。優勝インタビューでは、その人懐っこい笑顔で和やかに質問に回答しておりました。「この嬉しさを今誰に一番伝えたいか」と言う問いには「一番最初に、親方に。その後に、叔父さんに、言いたいです。」と答えて会場が沸きました。その叔父である第68代横綱・朝青龍関のTwitterを覗いてみると、かわいい甥っ子の快挙に大喜びしている様子を見ることができました。

一方、優勝決定戦に破れてしまった北勝富士関でしたが、12勝3敗の好成績で、敢闘賞を受賞するご活躍を見せました。優勝決定戦では豊昇龍関に敗れてしまったものの、12日目には豊昇龍関に勝っており、今場所を大きく盛り上げてくださいました。北勝富士関、お疲れ様でした。

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名古屋場所の15日間は、長いようで短い時間でした。今回の場所を通して、様々な力士の魅力的な相撲を観戦することができました。

どの力士も応援したい、と思えるほど皆さま頑張って取組に臨んでいることが画面越しからでも伝わってきました。

次回の9月・秋場所も楽しみにしております。名古屋場所に関わった皆さま、素晴らしい時間を提供していただき、誠にありがとうございました。