山田隆一公式サイト

127.現地で習得した、イタリア語。

2023/06/03

私は国内にいながらある程度英語を習得することができましたが、それは日本にいながらでも英語に触れる機会がたくさんあることも理由の1つでしょう。

そもそも学校で英語の授業があり、誰しもが英語に触れた経験があります。高校受験や大学受験などでも英語の試験があり、そのために多くの人々がある程度勉強します。

そのような基礎があったため、私は大学時代に英語を使った国際交流などに力を入れ、英語力を飛躍的に向上させることができました。

そのおかげもありイタリア留学の機会を得たのですが、イタリアは英語圏の国ではありません。留学先の授業自体は英語で行われるため英語ができれば問題はないのですが、イタリアの現地で生活するためには、イタリアの言語であるイタリア語ができたほうがより円滑に生活することができます。

私が留学したヴェネツィアという街は観光地なので、英語ができればある程度なんとかなると思っていましたが、そうではありませんでした。基本的な挨拶表現などは予習してイタリアに向かいましたが、それだけでは十分ではないことを痛感したエピソードがありますので、ご紹介いたします。

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私はヴェネツィアに着き、生活する学生寮があったヴェネツィア本島南に位置するジュデッカ島まで空港から水上高速バスで向かいました。寮までの道を人々に尋ねながら寮を目指しました。

イタリアには、タバッキと呼ばれる日本で言う駅の売店のような雰囲気のお店が至るところにあります。そこの店員のご年配の女性に私はこう尋ねました。

「Excuse me, I'd like to go to my dormitry, so may I ask you the way to go there?」(すみません、寮に行きたいので、道をお尋ねしてもよろしいですか?)

こういった意味合いのことを英語で尋ねた記憶があります。すると、女性はイタリア語でこう答えました。

「Non capisco.」(わかりません。)

事前に予習していたおかげで、この女性が何と言っているかはわかりました。しかし、イタリア語で道を尋ねられるほど上達はしていませんでした。同時にイタリアで生活するには、現地のイタリア語をある程度できなければと実感した瞬間です。それを教えてくださったこの方には感謝しています。

せっかく道を尋ねたのに何も買わずに出るのは申し訳ないと思い、私はガムを手にとり、こう尋ねました。

「Quanto costa?」(おいくらですか?)このような基本表現であれば予習していてよかったと思いました。

「Un euro.」(1ユーロです。)ああ、1ユーロなのか、と思い、私は1ユーロを払ってこのガムを買いました。

「Grazie!」(ありがとうございます。)私はお礼を言って、店を出ました。

「Buona giornata, ciao!」(良い1日を、じゃあね!)女性は笑顔で私とお別れしました。イタリア人は本当に笑顔が上手です。

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この経験があったからこそ、私は現地の言語であるイタリア語の習得にも力を入れることができました。英語さえできれば世界中どこででもある程度は通用すると思っていましたが、現地で生活するからには現地の言語が大事だと知ることができました。確かに日本で生活する上でも日本語はある程度必要ですよね。

近年、AI(人工知能)の発展により翻訳アプリなども充実してきましたが、細かいニュアンスなどは直接その言語で話したほうがより伝わりやすいことでしょう。

現在は日本にいながらでもインターネットなどで世界中の人々とつながることができますが、今回私がご紹介した体験での雰囲気は、現地ならではのものでしょう。

こういった経験がいろいろあり、私にとってその後の人生に向けての財産となった留学経験でした。