山田隆一公式サイト

35.現代にはない、独自の雰囲気。

2023/04/02

私は、様々なCMを観ることが好きです。短い時間に伝えたいことを込めて、いかに消費者を動かすかを考え抜いて作られたCMは、ある意味芸術作品だと考えます。

普段のテレビなどに加えて、YouTubeなどで、様々な時代のCMを観ることが好きなんです。それぞれの時代で、それぞれの雰囲気が出ていて興味深いです。

こちらのCMは、時計の製造で知られるSEIKOによる公式動画で、日本初のテレビCMです。当時は精工舎と呼ばれていたことから、時代を感じます。実写ではなくアニメーションでのCMということから、日本らしさも感じます。ほっこりするアニメーション映像はもちろん、最後に流れる優しいメロディに心温まるため、定期的に観たくなる名作CMです。

比較的最近のCMでは、例えば日本生命によるこちらのCMが好きです。仕事でどれだけきつくても、息子の前ではいつも笑顔を欠かさない母親と、そんな母親が大好きな息子の親子愛に心が打たれます。私の母もこうやって私を育ててくれたのだということを考えると、涙が出てきます。今回の記事を執筆するにあたって久しぶりにこのCMを観ましたが、涙をこらえることができませんでした。

このように、CMは観る人の心に訴えかける、ある意味芸術作品です。

長崎ローカルのCMもいろいろありますが、例えば長崎の菓子メーカー・杉谷本舗のこちらのCMがあります。概要文によると、出てくる2人の女の子は当時6歳で、1996年から放映されているCMのため1989年もしくは1990年生まれだと推測されます。したがって、1993年生まれの私より3、4歳ほど年上ということになりますね。初めてこのCMを観た当時はこの2人はお姉さんに見えましたが、今はこのCMの中ではすっかり年下です。時の流れは早いものですね。

さて、この記事を書くに至ったのは、本日のテレビにこの方が出演していたからです。

この、かねひさ和哉という方は、21歳という年齢ながら、まるで昭和の時代に実際に放映されていたかのようなリアルなCMの動画をYouTubeにアップロードしている方です。

iPhoneやNetflix、Spotifyなど、昭和には存在していない現代のものをリアルな昭和風のアニメーションによるCMで制作しているため、非常に興味深いです。まるで当時にiPhoneが存在していたかのような錯覚に陥ります。

この昭和の、現代とは異なるなんとも言えない独自の雰囲気を再現することは、簡単なことではないでしょう。当時を知る世代ですらこの雰囲気を現代に甦らせることはたやすいことではないと思いますが、この方は平成5年生まれの私よりも更に年下で、より昭和とは遠い世代にもかかわらず、この再現度を実現しています。制作者が私よりも年下だと知った時の驚きは大きいものでした。素晴らしいの一言です。

ただ昭和を再現するだけでなく、現代のものと昭和を融合させるセンスも面白いものだと感じます。また、その映像を制作するにあたって、現代の技術を駆使していることも興味深いものです。現代の技術についていきながらも、趣味で昔を探究する。良い生き方ですね。

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昔のCMにありがちな、商品名などをコーラス付きで歌う演出なども、なんとも言えない味があって好きです。

他にも様々なCMが好きですが、機会がありましたらご紹介したいと思います。どのような層をターゲットにCMを制作しているかなどを勝手に分析するのも好きです。