山田隆一公式サイト

28.夜霧よ、ヴェネツィアでも、有難う。

2023/03/27

今回は、2015年から2016年にかけてのイタリア・ヴェネツィア留学を振り返りながら、書きたいと思います。

ヴェネツィアは、いつ歩いても、その美しい街並みに心を打たれました。ある日、霧が濃い日がありました。歌詞に「夜霧」という単語が出てくる往年の様々な日本の歌謡曲が好きな私は、夜霧につつまれたヴェネツィアを写真におさめようと心躍りました。

その日の授業は、夕方に終わりました。授業が終わると私は、夜霧を見るために街並みを散歩いたしました。

山田隆一がイタリア・ヴェネツィアに留学した際の、夜霧に包まれたゴンドラの写真です。

ヴェネツィアの有名なボートであるゴンドラが、普段とは違う神秘的な顔を見せています。まるで、幻想的な世界へいざなっているかのようです。このゴンドラに乗って、夜のヴェネツィアの運河を巡る夢を見てみたいものです。

山田隆一がイタリア・ヴェネツィアに留学した際の、夜霧に囲まれたリアルト橋の写真です。

有名な橋であるリアルト橋も、異なる様子です。普段からワクワクして渡っていましたが、この時渡った際は普段よりテンションが上がっていました。ちなみに、橋の中には様々なお店が構えています。

山田隆一がイタリア・ヴェネツィアに留学した際の、夜霧にまみれたサン・マルコ広場の写真です。

あのナポレオンもその美しさに感動したという逸話がある、サン・マルコ広場も、ファンタジーに出てきそうな光景を見せています。何度訪れても鳥肌が立つ素晴らしい広場ですが、今回の感動は最も印象に残りました。あまりにテンションが上がり、私は一人、歌を歌いだしていました。

私が歌ったのは、石原裕次郎の『夜霧よ今夜も有難う』です。私の母方の祖父は、石原裕次郎が大好きだったそうです。祖父は私が生まれる前にこの世を去ったため、まさか孫が石原裕次郎を好きになるとは、と向こうの世界で驚いていることでしょう。

同じく石原裕次郎の『夜霧の慕情』や、ディック・ミネの『夜霧のブルース』、フランク永井の『夜霧に消えたチャコ』や『夜霧の第二国道』など、夜霧を題材にした歌謡曲はたくさんありますが、特にお気に入りの『夜霧よ今夜も有難う』を歌いました。

『夜霧よ今夜も有難う』を作詞作曲した、ハマクラこと浜口庫之助は、歌謡曲の作者の中でも特にお気に入りです。このような著書も執筆していたようなので、私も購入し、手元にあります。そして、たまに読み返しております。

ここからは、浜口庫之助作品の中でも私が好きな楽曲をいくつか挙げます。まず、マイク眞木が歌った『バラが咲いた』です。物語のような歌詞に、素朴なメロディが合わさった名曲です。コード進行も比較的シンプルで、私が演奏するウクレレにもよく合います。

次に、小林旭が歌った『恋の山手線』です。モダンチョキチョキズというバンドによるカバーでも知られています。作曲を浜口庫之助が担当し、作詞は小島貞二という方によるものだそうです。山手線の駅名とかけ合わせた面白い歌詞に、実に軽快なメロディが付いています。そのおかげで、この曲を好きになった当時、山手線に乗ったことはありませんでしたが、歌詞に登場しない駅名まで全て順番に覚えてしまうほど山手線に愛着が湧きました。近年、高輪ゲートウェイ駅という長い名前の駅名ができましたが、こちらもうまくかけ合わせた現代版を新たに作るのも面白いかもしれません。

そして、『ハイアース』のホーロー看板でも知られる水原弘が歌った『へんな女』です。こちらは、知る人ぞ知る曲、というポジションにあるマニアックな曲だと思われます。『黒い花びら』や『君こそわが命』などの水原弘の代表曲と違い、非常にコミカルな楽曲となっております。コミカルながら、深みのある歌詞が興味深いです。

他にも紹介したい大好きな浜口庫之助作品はたくさんあるのですが、長くなりますので、このあたりで紹介を終わります。

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今回の記事の写真は、見る方によってはホラーなものと捉える方もいらっしゃるかもしれません。解釈は人それぞれなので、それで良いのです。しかし、私は夜霧という言葉に愛着が湧いているため、こうやって写真に残した次第でございます。湿気があるあの空気感、たまりません。