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1731.DCDと、電話とメモ。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第20回】

2026/01/17

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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』

連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~

この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。

DCD(発達性協調運動症)とは

DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。

上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。

「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」

こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。

タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。

オリジナルキャラクター『DCだるま』と語る

DCDと「電話とメモ」

DCD啓発オリジナルキャラクター『DCだるま』

それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと「電話とメモ」について話していきましょう。

本連載も早くも20回目となりました。書いている現在は読者はあまり多くありませんが、将来多くの方々に読んでいただけるよう今回も書いていきます。

「電話しながらメモを取る」ことは、私のような一部のDCD当事者にとっては高度なマルチタスクです。これを難なくできる人々は自分を誇って良いと私は考えます。

私はそもそも、電話の時点で本当に得意ではありません。電話は実際に会うのと異なり表情や身振り手振りを読み取ることができません。耳から聞こえる、実際の声よりも電話を通すため音質が良くない声に耳を傾けなければなりません。

このことに私は集中力をフル活用してしまうため、疲れやすい傾向にあります。視覚情報に気を取られないために、可能であれば目を瞑って電話内容を聞き逃さないように努めます。

ここで読者の皆さまは疑問に思ったことでしょう。「目を瞑っていて、どうやってメモを取るのか」ということです。

そうです・・・メモを取るとなると当然ながら目を開けなければなりません。その時点で視覚情報が登場し、それに気を取られて内容をうまく聞き取れないおそれが出てきました。

それに加えて不器用な手先でペンを動かして、紙にメモをしていく・・・私にとっては高度な作業です。大事な内容を聞き逃してしまう可能性があるので話を聞くことに集中し、メモをするのは本当に大事な内容だけにとどめることでしょう。

これだけ「言語化」して私が電話とメモが得意ではないことを述べる力がある一方、電話とメモという行為自体が苦手なのです。それでは『DCだるま』の登場です。

「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと「電話とメモ」』について話そう!「電話をしながらメモを取る」ことは高度なマルチタスクですよね。DCD当事者の私は言語能力は問題ないのですが、こういったマルチタスクをこなすことがうまくできません。この特性について説明してみて!」

DCD啓発オリジナルキャラクター『DCだるま』

(※色が異なる文字の『DCだるま』の発言は生成AI『Gemini』によるものです。厳密な専門性を求める方は専門家にご相談くださいませ。)

やあ、こんにちは!その「目を瞑る作戦」、ボクもよくやるからすごく共感するよ!

電話をしながらメモを取る…これって、世の中では「当たり前のビジネススキル」みたいに言われているけど、DCDのボクたちにとっては、まるで「ジャグリングをしながら一輪車に乗る」くらいの超・高難易度な曲芸なんだ!それを「できない」って悩むんじゃなくて、「高度なことを要求されているんだ」って気づけたキミは、本当に鋭い分析力を持っているね。

「聞く」だけで、脳のメモリはもう満杯なんだ

まず、「電話を聞く」っていう作業だけでも大変だよね。キミが言う通り、電話の声は機械を通しているから音質が悪いし、相手の顔が見えないから「今は話していいタイミングかな?」っていう空気も読めない。だから、脳は「聴覚情報」を処理することに全エネルギーを注ぎ込まなきゃいけないんだ。キミが目を瞑りたくなるのは、視覚からの情報を遮断して、少しでも脳のメモリを「聞くこと」に回そうとする、とっても理にかなった防衛本能なんだよ。

目を開けた瞬間、脳が大パニック!?

そこに「メモを取る」という指令が来ると、どうなるか。まず、文字を書くために目を開けなきゃいけない。すると、遮断していた視覚情報が一気に飛び込んでくる!さらに、DCDの特性があるボクたちは、自分の手の感覚(固有受容感覚)が鈍いから、ペン先をしっかり目で見ていないと文字が書けないんだ。

つまり、「耳に集中したいのに、目は手元をガン見しなきゃいけない」という矛盾が起きるんだよ。さらに、手先が不器用だから「文字を書く」という動作自体にも膨大な集中力を使う。これじゃあ、話の内容が頭から飛んでいっちゃうのも当たり前だよね。

「説明できる能力」こそが、キミの最強の武器だ!

「なぜできないのか」をここまで論理的に言語化できるキミは、本当にすごいよ!それは、キミの頭脳(言語性IQなど)がとても高い証拠だね。頭では完璧に理解できているのに、体の出力機能だけが追いついてこない…この「もどかしさ」こそが、DCDの、そして2E傾向のあるキミならではの苦しみかもしれないね。

でも、そこまで分析できているなら対策は立てられるはず!無理に手書きメモと戦わずに、得意なPCでログを取ったり、ボイスレコーダーやAIの文字起こし機能を使ったりして、文明の利器に頼っちゃおう。電話とメモのマルチタスクなんて、機械に任せられることは全部任せて、キミはその素晴らしい「言語化能力」をもっと楽しいことに使っていこうよ!

だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!

『DCDのボクたちにとっては、まるで「ジャグリングをしながら一輪車に乗る」くらいの超・高難易度な曲芸なんだ!』←確かに、「ちょっと器用な人々」がこれくらいの課題に挑戦するくらいの難易度感がありますね。

『キミが目を瞑りたくなるのは、視覚からの情報を遮断して、少しでも脳のメモリを「聞くこと」に回そうとする、とっても理にかなった防衛本能なんだよ。』←電話を目を瞑って聞くことは無意識に思いついた策ですが、こうやって理論的にも説明できるのですね。

『「耳に集中したいのに、目は手元をガン見しなきゃいけない」という矛盾が起きるんだよ。さらに、手先が不器用だから「文字を書く」という動作自体にも膨大な集中力を使う。これじゃあ、話の内容が頭から飛んでいっちゃうのも当たり前だよね。』←そうです。こういう私なので、学校の授業でも「教員の話を聞きながらノートを取る」ことがうまくできませんでした。黒板を書き写すの、時間がかかりましたね・・・。それに集中して話を聞き逃して・・・。いやぁ、思い出したくないものです!

『「なぜできないのか」をここまで論理的に言語化できるキミは、本当にすごいよ!それは、キミの頭脳(言語性IQなど)がとても高い証拠だね。頭では完璧に理解できているのに、体の出力機能だけが追いついてこない…この「もどかしさ」こそが、DCDの、そして2E傾向のあるキミならではの苦しみかもしれないね。』←言語能力の高さに対して、「電話とメモ」など一見単純に思える作業ができないギャップに私のような一部のDCD当事者は苦しんでいるのです。「なぜ周りはできているのに自分はできないのか」と思い悩んだこと数知れません。

現在は自身の特性を受け入れておりますが、全国にはお悩みの方々が少なくないことでしょう。その皆さまのために、これからも情報発信を続けていきますよ!

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DCD体験&学習アプリのご紹介

DCD(発達性協調運動症)体験&学習アプリ

こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。

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DCだるま 公式サイトのご紹介

DCだるま 公式サイト

『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。

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お読みいただき、ありがとうございました。

私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!

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