山田隆一公式サイト

1515.【エッセイ】『プールにプカプカ』

2025/07/26

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『プールにプカプカ』

私は、カナヅチである。すなわち、うまく泳ぐことができない。

だが、プールの中にいること自体は好きであった。

水の中を歩くのが、気持ち良い。

学校の授業でのプール、水泳の習い事のプール、夏休み、近所のプール・・・。うまく泳げなかったもののプールの中は気持ちよかったのでそれほど悪い思い出ではない。

特に近所のプールにあった、「流れるプール」・・・。これが格別であった。

その名の通り、川のように流れていくプールなのだが、これが好きであった。

流れているので通常より速くプールの中を歩くことができる。プールの中でジャンプをするとプールが流れた分だけ動く。・・・思い出しただけでも気持ちが良い。

そして流れるプールで一番好きだったのだが、浮き輪に浮かんで自然と流れていくことだ。

水の流れに身をまかせて、浮き輪とともに流れていく。夏の日差しといい、水の冷たさといい、本当に心地よかった。

流れるプールに一人でプカプカ浮かびながら、夏の青空を見つめたあの瞬間。

学校にはうまく馴染めなかった私だが、子どもの頃の「良い思い出」も思い出そうと思えばたくさんあることだろう。これからも思い出したら、書くかもしれないし、書かないかもしれない。

今は大人になったことに加えて、すっかりブクブク肥えてしまい膨大な腹を擁することとなった私なので、プールに行く機会はない。

・・・だが、いつになるかはわからないが良い伴侶に恵まれて子どもができた時は、親子でプールを楽しみたいという気持ちはある。

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お読みいただき、ありがとうございました。