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1496.【エッセイ】『ギバーテイカーマッチャー』

2025/07/08

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『ギバーテイカーマッチャー』

「ギバーテイカーマッチャー」

スーパーヒーロー?それともプロレスか何かの技の名前?そういう響きの言葉だ。

これは、「ギバー」(giver)、「テイカー」(taker)、「マッチャー」(matcher)という3つの単語を並べたものである。

ギバーとは、ギブ(give)、つまり与えることを多くする人のことである。与えることとは、物であることもあれば、何かをしてあげることもある。与える際にも、見返りを求めないことが多い。

テイカーとは、テイク(take)、つまり受け取ることを多くする人のことである。何かあれば他人に「これをください」「これをやってもらいたい」と頼みごとをする傾向にあるようだ。もしくは受け身型で人に何かをしてもらうことはあるが自分から動くことはあまりないタイプの人だ。

マッチャーとは、マッチ(match)、つまりギブとテイクの二つがバランスよく合わさっているタイプのことである。このタイプの人は何かを与えることも受け取ることも程よいバランスがあるそうである。

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ネット上には自分がどのタイプに当てはまるのかを簡易的に診断できるサイトもある。「ギバーテイカーマッチャー診断」などと検索すれば出てくる。

ちなみに、私は「マッチャー」と診断された。マッチャーが平均的であるため、マッチャーである人が多数派だというデータもある。

私は子どもの頃からずっとマッチャーだと思われるが、その中でもかつては「テイカー寄りのマッチャー」、今は「ギバー寄りのマッチャー」であると推測される。

かつての私は極度な受け身型で、自分から動くことはほとんどなかった。主体的になって人に「何かをしてあげよう」とはならなかった。だが、そのことで人に「何かをしてくれ」と頼むこともなかった。つまり積極的にギブもテイクもしなかったわけだが・・・。自分から動かないとどうしてもテイカー寄りになってしまうことだろう。これがかつての私だ。

そして現在の私は受動的な要素が薄れて、主体的にいろいろと動くようになった。そして人に何かをする際も見返りを考えない。もし私が見返りを考える人間であれば、この公式サイトにもたくさんの広告を付けることであろう。見返り(広告収入)を求めずに純粋に書いていることが誰かのためになれば、という思いで日々文章を書いている。もちろん、文章を読んでいただいた方との良いご縁につながれば、という思いが全くないと言ったら嘘になる。だが根本的な想いは、見返りを求めずに人のためになればと思って自分の考えを発信している。

また現在の私は、誰かと話をしていてその人がどんな情報を求めているかを想像しながら話を聞く。相手が求めているようなことをもし私が知っているのであれば惜しげなく情報を提供する(守秘義務の範囲内で。例えば誰かのプライベートのことなどはペラペラとは喋らない。口は堅くありたい。)。自分が面白いと思ったことを話して、相手も面白いと思ってくれるのであればありがたい。(その際はもちろん、「すべらない」ように心がけて話す。)

自分がいろいろなことを知っていることを自分の中だけにとどめず、それを人のため、社会のために役立てたい。誰かと話すときはそのことを意識している。

・・・ここまで話すと、「君はギバーじゃないか!」と思った読者もいるかもしれない。

私はギバーではない。「ギバー寄りのマッチャー」だ。

私は「人に利用される」ことは嫌だ。何かを頼まれて、それをしてあげてばかりいるとそれはただの「お人好し」だ。誰からの頼みをも受け入れてしまうと身体が持たない。

ギブする相手はもちろん選ぶ。誰にでも優しくしてしまうとその善意に漬け込む輩がいるからだ。そしてそういう人たちはテイカーの中のテイカー、真正のテイカーである可能性が高い。

理想はギブアンドテイクが釣り合っている人間関係だろう。だが、現実にそれを実現するのは簡単ではないことだろう。

読者の皆さまはギバー・テイカー・マッチャーのどれだろうか。この3種類の人間がいることを想像してみると、「あの人はテイカーだな」「この人はギバーだ」とある程度推測できるので興味深い。

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お読みいただき、ありがとうございました。