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799.【映画『碁盤斬り』感想】古典落語『柳田格之進』が草彅剛主演・白石和彌監督により映画化!

2024/05/29

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※映画の感想についての記事です。映画をこれからご覧になる方で、話の展開を知りたくない方はご注意ください。

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今回は、白石和彌監督による映画『碁盤斬り』を映画館で鑑賞いたしましたので、この映画についていくつかの観点から述べます。

個人の感想ですが、よろしければご覧くださいませ。

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①主演・草彅剛が演じる柳田格之進という人物

『碁盤斬り』で主演を務めた草彅剛は、SMAP時代から様々なご活躍を拝見してきた方です。近年も映画『ミッドナイトスワン』での演技は凄まじいものがありました。

今回の映画では自分に意志を曲げない実直な武士・柳田格之進を演じておりますが、時代劇での草彅剛を見ると、2021年の大河ドラマ『青天を衝け』での徳川慶喜役での名演も思い出しますね。

名優・草彅剛はこの『碁盤斬り』でもその確かな演技力で、柳田格之進そのものとなっております。普段の喋り方は穏やかで優しさを感じる方ですが、役での柳田格之進は信念を曲げない熱い男で激しいセリフもあります。途中での髭を生やしたワイルドな柳田格之進にカッコよさを感じました。

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②囲碁を知らなくても、囲碁の魅力に少しながら気づくきっかけとなった

『碁盤斬り』という題名の通り、囲碁を題材にした映画です。私は囲碁のルールを知りませんでしたが、それでも劇中で囲碁について説明されますので心配ありません。

映画館の大音量で聴く、碁石が打たれる音に迫力を感じました。良い碁石を、良い碁盤に打つと本当に良い音なのでしょう。あの音が今も印象に残っております。

そして主演・柳田格之進役の草彅剛、萬屋源兵衛役の國村隼、柴田兵庫役の斎藤工といった俳優陣の対局中のセリフがない表情による演技にも注目しました。セリフがないからこそ、少しの目の動きなどから感情を表現する繊細さが光る場面ですね。

この映画のおかげで、「囲碁って面白そう」と思うことができました。後でルールを少し調べてみようと思います。現代はインターネット上でも対局ができますから、この映画の時代(江戸時代)の人々はビックリすることでしょう。

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③回想シーンでの演出

個人的に、回想シーンでの演出を興味深く感じました。

柳田格之進がかつて彦根藩にいた時代を回想するシーンでは、画質が落ちておりました。まるで数十年前の映画のような画質でした。

私はよくオンライン上でYouTubeなど様々な動画を拝見するので、回線の調子が悪くなると高画質から低画質に自動調整されます。

なので「ん?映画館でストリーミング(インターネット上での)再生・・・?」と一瞬考えてしまいましたが、そんなわけがないと我に返ると、「ああ、回想シーンだから画質をあえて落とす演出なのか」と気づきました。

回想シーンで画質を落とす手法を初めてこの映画で意識しましたが、他の映画でも使用されている手法かもしれません。今後観ることになる映画でも、そういった演出に出会うかもしれませんね。

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④なんという”オチ”!

映画『碁盤斬り』来場者特典のステッカー。

こちらの画像は『碁盤斬り』の来場者特典のステッカーです。小判の束ですね。調べてみると「切餅きりもち」と言うそうですね。

私は事前情報なしに『碁盤斬り』を鑑賞しましたので、入場時にこのステッカーをいただいた際にはこの小判が何を意味するのかわかりませんでした。

しかし鑑賞後にはこのステッカーに愛着がわきました。そしてこの小判の金額もはっきりわかりました。映画を鑑賞した方であれば、この金額がわかることでしょう。ちなみに切餅の意味を知っている方だと映画を見なくともいくらか推測できそうですね。時代劇用語、興味深いです。

さて、『碁盤斬り』ではこの2つの切餅が大きな役割を果たします。これを巡って、話が大きくなります。

話は大きくなったのですが、この2つの切餅が行方不明になった理由が、実に些細なことであり、なんという”オチ”!と思いました。

終盤に題名となっている『碁盤斬り』の名前の由来が明らかにされますが、そのシーンもお見事でした!

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⑤原案は古典落語『柳田格之進』

オチが印象的なこの映画、原案は『柳田格之進』という古典落語だそうです。

大昔につくられた話が、令和の現代にもこうやって映画として多くの人々を楽しませている。かつての人々も喜んでいることでしょう。

また、江戸時代を舞台としているこのお話ですから、登場人物たちにいわゆる「江戸っ子」のイメージである「粋」を感じました。現代とは異なる雰囲気を味わうことができるのも、時代劇の醍醐味ですね。

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今回は映画『碁盤斬り』を鑑賞いたしましたので、いくつかの観点から感想を述べてみました。面白くてあっという間の2時間でした。ありがとうございました。

様々な人物の生き様を追体験できる、映画はやっぱり私に様々なことを考えさせ、いろいろなことに興味を持たせるきっかけとなってくれます。

最後に、主演の草彅剛とSMAP時代から交流が深い香取慎吾が映画『碁盤斬り』についてYouTubeで語っておりましたので共有いたします。

私もSMAPの楽曲は今も愛聴するほど好きですから、こういった動画は思わず笑みがこぼれます。

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お読みいただき、ありがとうございました。