山田隆一公式サイト

761.【エッセイ】音楽の授業の、思い出。【箏(琴)】

2024/05/08

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僕は学校にはうまく馴染むことができなかった人間なのだが、音楽の授業は好きだった。

今も音楽についての記事を書いたり作曲をしてみたり、音楽は僕の生活の一部だ。

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中学の頃、通常の授業に加えて選択授業があった。いくつかある中から好みの教科を選んで、追加で週1コマ受講できる仕組みだ。

こういう場合、僕は可能な限り音楽を選んだ。最初の高校でも「音楽・美術・書道」から1つ選んで受講することになっていたがやはり音楽を選んだものだ。

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さて、この中学の音楽の選択授業では様々な楽器を演奏する機会が与えられたのだが、僕がその中でも印象に残っているのがそうだ。

箏の表記は一般的に馴染みがない。一般的には「琴」と呼ばれている楽器のことである。以後、ここでも琴と表記する。

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琴が特に印象に残っている理由として、日本の伝統的な楽器であり和の雰囲気を感じることに趣があったことも挙げられるのであるが、それよりも以下の三文字のインパクトが強かった。

山 田 流

音楽の授業なので琴の歴史についても学ぶことになったが、琴には「生田流」と「山田流」の2つの主な流派が存在する。

そう、山田流である。

僕の名前と非常によく似た名前の流派である。

音楽の先生が「山田流」と紹介すると、周りの多くの生徒たちが僕のほうを見たことを覚えている。

当時の僕はおとなしく感情表現が得意ではなかったものの、今でも思い出すことができるくらい興味深いエピソードだ。

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あれから15年以上が経ち、あの授業以来琴を演奏してはいないのだが、爪を装着して指で弾いていくあの感覚・・・、久しぶりに演奏するとしたら思い出していくことであろう。

今でも趣味でウクレレやギターを演奏するのだが、僕の弦楽器の演奏の原点はこの音楽の授業での琴の演奏だろう、と今考えると思うのであった。

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お読みいただき、ありがとうございました。