731.【映画『Winny』感想】日本の技術者の権利のために闘った、天才プログラマー金子勇と壇俊光弁護士の熱い物語。
2024/04/16
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※映画の感想についての記事です。映画をこれからご覧になる方で、話の展開を知りたくない方はご注意ください。
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昨日、Prime Videoで映画『Winny』が配信しておりましたので、拝見いたしました。
予告映像がありましたので、ご紹介いたします。
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1993年生まれの私が小学生の頃、まだパソコンやインターネットに慣れ親しみ始めたばかりの時代に発生した「Winny事件」を題材とした映画です。
『Winny』とは、天才プログラマー・金子勇が2002年に開発したファイル共有ソフトの名前です。当時幼かった私は報道などにより名前は聞いたことがあったもののWinnyがどういうものかよく知りませんでした。したがって実際に使用したことはありませんでしたが、映画によるとピーク時は200万人以上の利用者がいたそうで、驚きました。
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インターネット上で誰もが自由にファイルを共有できるとなると、問題となるのが著作権についてです。
このWinnyを開発した金子勇自身は著作権を侵害していませんでした。しかしWinny利用者が著作権を侵害したことにより、著作権法違反幇助の疑いをかけられて金子勇は2004年に逮捕されてしまいました。
当時としては最先端のWinnyを生み出したほどプログラミングが大好きな金子勇ですが、裁判をしている間はプログラミングができませんでした。裁判期間は、無罪判決が確定するまで実に7年半に及びました。本当に無念だったことでしょう。
現在から見ると、まだYouTubeもなかった当時にWinnyのような革新的なソフトウェアを開発できた人物が日本にいたという事実は驚異的です。その才能を裁判期間中に活かすことができなかったことは残念です。
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「Winny事件」当時まだ幼かった私は、「悪いことをした人」と報道されているため、金子勇を悪い人だと大きな誤解をしておりました。
しかし、この映画を観るとそれは全く違うことがわかりました。
映画では東出昌大が演じている金子勇は、まっすぐで悪い気持ちがない、根っからの技術者として描かれております。性格も明るく、他人を思いやる描写もありました。
才能はもちろんですがそういった人柄も相まって、三浦貴大演じる壇俊光弁護士など、応援してくれる人々がたくさん現れました。
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更に残念なことに、金子勇は裁判が終結してわずか1年半後の2013年に43歳の若さでこの世を去っています。
もし逮捕されずにのびのびと才能を発揮できていたら、更に革新的なソフトウェアが開発され、世界において日本のIT業界での勢力はより良いものとなっていたかもしれません。日本ではGAFAとも呼ばれるアメリカのIT大手企業群(Google・Amazon・Facebook・Apple)に並んでいた可能性も、もしかしたらあったかもしれません。
劇中で、警察や裁判官の人々のITに関する知識の無さが印象的に描かれておりました。知識がない人が、才能のある人を潰してしまうことはあってはならないものです・・・。
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最後に、劇中でもスタッフロールとともに一部が流された、金子勇ご本人のインタビュー映像をご紹介いたします。
映画で東出昌大が演じていた人物そのものの性格・喋り方で、映画ではよく再現されていたのだなと感心いたしました。
もちろんこの映像だけで判断するのは早計なのですが、それでもこの映像だけでもこの方が悪いことを企む可能性はかなり低いとわかります。金子勇は純粋に社会をより良くしたいという気持ちでWinnyを開発しただけで、それを悪いことに使ったのは利用者の人々なのだとわかります。
金子勇はこのインタビューの最後で「若い人たちは頑張ってください」とエールを送っています。自身の時間を犠牲にしてまでも裁判で無罪を勝ち取り、ソフトウェアを開発するだけでは捕まることがなくなる、という道を作りました。
私もまだ「技術好き」なだけで「技術者」とは言えない立場ではありますが、映画を観ることによって出会うことができた金子勇という天才プログラマーに励まされました。
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『Winny』は現在のところ、今年に入って最も私が「観てよかった」映画となりました。
「Winny事件」をリアルタイムではよく知らなかった私のような若い世代の人々にも、金子勇という人物や、壇俊光弁護士のような熱い気持ちを持った人々がいることを知ることができました。
この映画を作っていただき、誠にありがとうございました。
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