1369.【エッセイ】『仙人扱い』
2025/04/25
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『仙人扱い』
これは私が様々なところで度々している話なのだが、ここに改めて書いてみようと思う。
私は、他人に合わせることがうまくできない傾向にある。要するに、マイペースなのである。
そんな私であるが、大学の頃はうまく人間関係を作っていこうと決意し、いろいろなイベントにも顔を出していた。
飲み会にも参加したのであるが・・・、楽しいと思えたことはほとんどなかった。本当に「仲の良い」人と行くのであれば話は別であろうが、私はそれだけ人と仲良くなることができなかったのである。つまり、飲み会に参加している他の人は悪くないことは先に言っておこう。
そんな飲み会で、当時流行していたお笑いコンビの話題になったことがある。彼らはその当時急にブレイクし、テレビにどんどん出始めていた時期であった。
当時の私は流行に疎く、我が道を行く傾向がより強い人間であったため、そのお笑いコンビの存在を知らなかった。後ほどそのお笑いコンビをテレビで拝見したのだが、個人的には好きではなかった。だが勢いのある芸風なので流行することもあるだろう、と思った。
その飲み会にいた他の人々は皆そのお笑いコンビを知っていたので、知らなかった私を異常者扱いしてきた。
「今人気なのに知らないの、お前仙人か何かか?」
流行を知らない私を、ずっと山にこもっている仙人のようだと言ってきた輩がいた。この男には悪気はなかったのかもしれないが、当時の私は深く傷ついた。
現在であれば、「仙人ということは、私に特別な力があるということだ!」などと前向きに考えることができるのだが、当時は傷ついたのだ。
そして現在も、流行にもある程度耳を傾けるがやはり時分が好きなもの、興味があるものを突き詰めていく傾向は変わらない。
そして流行よりも、「流行に流されない、いつの時代でも良いと思えるもの」に強い関心を持つ。もちろん流行も良いことであることは否定しないのであるが。
・・・ちなみに、このお笑いコンビは、すぐにテレビの世界から消えてしまった。流行とは、そういうものである。このお笑いコンビ自体は悪くなく、ファンの人達を笑顔にしていることは素晴らしいことであるが、たまに彼らの話題を聞くと私はこの一件を思い出すのである。
私の「仙人」としての力を、いつか披露してみたいものである。
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お読みいただき、ありがとうございました。
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