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1331.【エッセイ】『校長のお話ダァーッ!』

2025/04/09

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『校長のお話ダァーッ!』

私たちはは小学校から始まり様々な学校に通った経験があることだろう。

それぞれの学校に、必ず存在するのが校長である。学校によっては「理事長」がその役割を担うところもあるかもしれないが、ここでは便宜上校長とする。

それぞれの校長が、それぞれのお話をする。入学式の際は、入学する人々に期待を込めた言葉をよく話していた印象がある。

1学期の終業式の際は夏休みに対する心構え・・・2学期の始業式にはもう夏休みは終わったという現実の通告・・・。そして2学期の終業式ではクリスマスのことについて話す校長もいたことを記憶している。

校長の挨拶というものは、どうしても形式的なものになりがちなので、無難なものになりがちである。したがって、その内容を細かく記憶している人はそれほど多くないことだろう。私も、ほとんどを失念している。

・・・ただ、私が強く印象に残った校長のお話がある。・・・あれは小学2年生くらいの頃であっただろうか。運動会での挨拶である。

「1・2・3・ダァーッ!」

真面目な雰囲気でいなければならず、校長のお話も真面目になりがちなのであるが、この時の校長が突然こう言ったことが面白かった。

平成の生まれである私は、当時まだ子どもだったこともありこの掛け声を知らなかった。

伝説のプロレスラー・アントニオ猪木による掛け声を、ご本人によるものでなくこの校長のものにより知ったのである。

このフレーズを初めて知って気に入った私は運動会の感想文でも、「1・2・3・ダァーッ!」と書いたことを覚えている。当時の担任は、面白い子だなぁと思ったかもしれない。

・・・余談であるが、昭和のプロレスブームの真っ只中の頃、母方の曾祖母が大の猪木ファンだったそうである。テレビでプロレスを観ながら「猪木に力を送る」と両手を出して力を送る動作をしていたそうだ。

その様子は母から伝え聞いただけでも面白い。残念ながらその映像は残っていないのだが、仮に残っていてそれを観たならば私は吹き出すことであろう。

猪木を知らなかった当時の私が運動会の校長の「1・2・3・ダァーッ!」をすぐに気に入ったのは、この曾祖母の血を受け継いでいるからなのかもしれない。

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